業務用エアコンには、点検義務があることをご存じですか？
皆さんこんにちは。
板橋区を拠点に空調機のメンテナンスやクリーニング、配管やダクトの工事など空調全般の工事を手掛けている日本空調メンテナンスです。
施設や企業の管理者の皆様、業務用エアコンには、定期的な点検が義務付けされていることをご存じでしょうか？「改正フロン法という法律」に則った点検が必要となりますが、「具体的に何をすればいいのかあまりわからない」という人も少なくありません。
この記事では、なぜ業務用エアコンの点検が必要なのか、その背景とともに、具体的な点検内容についてご紹介します。
■なぜ点検が必要なの？
業務用エアコンでは、「冷媒」として、フロンガスが多く使用されています。フロンガスといえば、オゾン層を破壊する原因となることが知られています。現在使用されているフロンガスはオゾン層を破壊しない「代替フロン」に転換されていますが、このガスが地球に無害というわけではありません。代替フロンは大気に放出すると地球温暖化を促進する可能性があり、その影響はCO2の数千倍ともいわれています。
この事態を懸念して、平成25年6月に「フロン回収破壊法」が改正され、フロン類を使用している製品に対して排出を抑制するように、しっかりと管理することが定められました。この改正フロン法によって、フロン類を製造するメーカーとフロン類を使用する冷凍空調機器を製造するメーカー、そしてフロン類が使用されている業務用エアコンを使用しているユーザーそれぞれに国が判断基準を定め、それを遵守することが求められました。
このような背景があって、業務用エアコンを使用している施設や企業に対しても、点検を実施する必要性が生じてきたのです。
■どんな点検が必要？
上記でご紹介した「判断基準」は、メーカーやユーザーといった立場によって異なってきます。ユーザーの「判断基準」が点検を行うことなのです。それでは、どのような点検を行えばいいのでしょうか？
まず、点検には「簡易点検」と「定期点検」の2種類があります。簡易点検はすべての業務用エアコンで3カ月に1度行う必要があり、機器のユーザー自身が行うことも可能です。しかし、できるだけ専門業者のアドバイスを受けながら点検を実施することが望ましいとされています。簡易点検では、主に以下の項目をチェックします。
・異音、異常振動がないか
安全性を確保した上で、室外機の振動や運転音がいつもと違わないかどうか目視で確認します。異常に気付くためにも、日頃からこまめに点検しておくことが望まれます。
・油にじみ、傷、腐食、錆がないか
室外機や熱交換器の外観に、油のにじみや傷、腐食、錆がないか確認します。これらが発見された場合、できるだけ早急に専門業者へ相談するようにしましょう。
・配管や熱交換器に霜が付いていないか
室内機の配管や熱交換器に、霜が付いていないかどうかチェックしましょう。普段外からは見えない部分なので、グリルを外す必要があります。天井などに設置してあると、高い脚立を利用しなければいけなくなって大変危険です。点検に危険が伴うと判断されるときは、専門業者に依頼するようにしましょう。
・ゴミの付着、植物の絡まり、配管の劣化はないか
室外機にゴミが付着していないか、植物が絡まっていないかを確認し、適宜除去してあげましょう。配管が容易に見られる場合は、その腐食具合もあわせて確認してください。
簡易点検では、以上のような項目を順番にチェックしてあげましょう。ただし、室外機などは屋上に設置してあるケースも多いので、安全性には十分配慮してください。少しでも危ないと思ったら、決して無理をせずに、早めに専門業者に依頼するようにしましょう。
また、定期点検においては、50Kw以上の業務用エアコンは1年に1回以上、7.5～50Kw未満の場合は3年に1回以上、専門業者など十分な知見を持つ有資格者が行うことが定められています。このような簡易点検と定期点検の両方をしっかりと行って、フロンの漏洩を防止するとともに、地球温暖化を抑制することに寄与していきましょう。
■まとめ
エアコンの点検をせずに放置してしまうと、罰則が発生することになりかねません。法律で定められているからというだけではなく、定期的な点検は、エアコンの寿命を延ばすための対策でもあります。徹底した清掃と点検で、室内環境と地球環境の両方をいいものにしていきましょう。
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